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インビザラインで出っ歯を改善する全プロセス〜専門医が解説

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インビザラインで出っ歯を改善する全プロセス〜専門医が解説

出っ歯とは?症状と原因を理解する

出っ歯とは、上の前歯または上顎全体が前に突出している状態を指します。医学的には「上顎前突」と呼ばれ、不正咬合の一種です。

正常な歯並びでは、上の前歯が下の前歯より2〜3mm程度前に出ている状態が理想的とされています。しかし、この差が4mm以上になると出っ歯の傾向があり、7〜8mm以上の場合は治療が必要と判断されることが多いです。

出っ歯の主な原因は以下の3つに分類されます。

  • 歯槽性の出っ歯:顎の骨には問題がなく、前歯の傾斜によって前歯が突出している状態
  • 骨格性の出っ歯:上顎の骨が過剰に発達したり、下顎が後方に位置したりすることで、顎の骨の位置がずれて上の前歯が前に出ている状態
  • 混合型:歯槽性と骨格性の両方の要素を持つ出っ歯(最も多いタイプ)

また、出っ歯の原因には以下のような要因も関係しています。

  • 遺伝的要因(顎の大きさや歯のサイズの不均衡)
  • 幼少期の指しゃぶりなどの習癖
  • 舌で歯を押す癖(舌癖)
  • 口呼吸
  • うつぶせ寝の習慣

出っ歯は見た目の問題だけでなく、口が閉じづらい、前歯でものを噛み切りにくいといった機能的な問題も引き起こします。また、前歯が突出しているため、転倒時などに歯が損傷するリスクも高まります。

インビザラインで出っ歯は治療できるのか?

「インビザラインで出っ歯は治せるの?」

この質問をよく受けますが、結論から言えば、歯槽性の出っ歯や軽度から中等度の骨格性の出っ歯であれば、インビザラインで効果的に治療することが可能です。

インビザラインによる出っ歯治療には、主に以下の2つのアプローチがあります。

  • 非抜歯による治療:上の奥歯を後方に移動させることで、前歯を後退させるスペースを確保する方法
  • 抜歯を伴う治療:小臼歯(通常は上顎の第一小臼歯)を抜歯し、そのスペースを利用して前歯を後退させる方法

どちらの方法が適しているかは、出っ歯の程度や顎の骨格、歯列の混雑状況などによって異なります。軽度から中等度の出っ歯であれば非抜歯で対応できることが多いですが、重度の場合や歯列が非常に混んでいる場合は抜歯が必要になることもあります。

私の臨床経験では、インビザラインは以下のような出っ歯ケースに効果的です。

  • 前歯の傾斜角度の調整が必要な歯槽性の出っ歯
  • 軽度から中等度の骨格性の出っ歯
  • 前歯の突出と軽度の歯列不正が合併しているケース

ただし、重度の骨格性の出っ歯や、顎の骨格に大きな問題がある場合は、インビザラインだけでは十分な改善が難しいことがあります。そのような場合は、外科的アプローチと組み合わせた治療が必要になることもあります。

どうですか?あなたの出っ歯はインビザラインで治療できそうですか?

インビザラインによる出っ歯治療のメリット・デメリット

メリット

インビザラインで出っ歯を治療する最大の魅力は、その審美性にあります。透明なマウスピースはほとんど目立たないため、治療中も人前で自信を持って笑うことができます。

私の患者さんからは「会議中でも気にせず話せる」「接客業でも周囲に気づかれない」といった声をよく聞きます。特に社会人の方にとって、この目立たない点は大きなメリットです。

インビザラインによる出っ歯治療の主なメリットは以下の通りです。

  • 審美性に優れている:透明なマウスピースなので目立ちにくい
  • 取り外しが可能:食事や歯磨きの際に取り外せるため、口腔衛生を保ちやすい
  • 痛みが比較的少ない:ワイヤー矯正と比べて弱い力で徐々に歯を動かすため、痛みが軽減される
  • 治療計画が可視化される:3Dシミュレーションで治療前に最終的な歯並びを確認できる
  • 通院頻度が少ない:基本的に1〜2ヶ月に1回程度の通院で済む

デメリット

一方で、インビザラインによる出っ歯治療にはいくつかの制約もあります。

  • 適応症例に限りがある:重度の骨格性の出っ歯には不向きな場合がある
  • 自己管理が必要:1日20〜22時間の装着が必要で、患者さん自身の協力が治療成功の鍵となる
  • 複雑な歯の移動には限界がある:大きな回転移動や垂直的な移動が必要な場合は効果が限定的
  • 治療費がやや高額:保険適用外の自費診療となるため

特に自己管理の点は重要です。インビザラインは自由に取り外せる反面、装着時間が不足すると治療効果が十分に得られません。「忙しくて装着を忘れがち」という方には、リマインダーアプリの活用をお勧めしています。

インビザラインによる出っ歯治療の流れ

インビザラインで出っ歯を治療する場合、どのような流れで進むのでしょうか。実際の治療プロセスを詳しく見ていきましょう。

1. 初診・カウンセリング

まず初回のカウンセリングでは、患者さんの悩みや希望をしっかりとヒアリングします。出っ歯の程度や原因を診断するために、口腔内の検査、レントゲン撮影、顔貌の分析などを行います。

当院では、カウンセリングから診断に必要なレントゲン撮影まで無料で実施しています。この段階で、インビザラインによる治療が適しているかどうかを判断します。

2. 精密検査と治療計画の立案

治療を進める場合は、より詳細な検査を行います。当院ではiTeroという口腔内スキャナーを使用して、歯列の3Dデータを取得します。これにより型取りの不快感なく、精密なデータを得ることができます。

このデータをもとに、専用ソフトウェアを使って治療計画を立案します。どのように歯を動かしていくか、何枚のマウスピースが必要か、抜歯が必要かどうかなどを決定します。

患者さんにとって重要なのは、この段階で治療後の歯並びをシミュレーションで確認できることです。「こんな風に変わるんだ!」と実感していただけるのは、インビザラインの大きな特徴です。

3. マウスピースの作製と治療開始

治療計画が確定したら、計画に基づいてマウスピースを作製します。通常、1〜2週間程度で完成します。

マウスピースが届いたら、装着方法や注意点についての説明を行います。基本的には1セットのマウスピースを1〜2週間装着し、次のセットに交換していきます。1日20〜22時間の装着が基本で、食事と歯磨きの時以外は常に装着することが重要です。

4. 定期的な通院とマウスピースの交換

治療中は1〜2ヶ月に1回程度の通院が必要です。通院時には、歯の移動状況を確認し、必要に応じて調整を行います。

当院では、PBM healing(光加速矯正装置)を併用することで、治療期間の短縮を図っています。この装置は歯の周辺組織に近赤外線光を照射することで細胞を活性化させ、歯の移動を促進します。通常1年かかる矯正治療を最短5ヶ月で完了できる可能性があります。

5. 治療完了とリテーナー装着

計画した歯の移動が完了したら、最終的な歯並びを確認します。必要に応じて微調整を行った後、治療完了となります。

矯正治療後は「後戻り」を防ぐために、リテーナー(保定装置)の装着が必要です。通常、最初の数ヶ月は終日装着し、その後は就寝時のみの装着に移行していきます。

インビザラインによる出っ歯治療の期間と費用

治療期間

インビザラインによる出っ歯治療の期間は、症例の複雑さによって大きく異なります。一般的な目安は以下の通りです。

  • 軽度の出っ歯:約6ヶ月〜1年
  • 中等度の出っ歯:約1年〜1年半
  • 重度の出っ歯:約1年半〜2年以上

当院ではPBM healingを活用することで、通常の治療期間を最大50%短縮できる場合があります。例えば、通常1年かかる治療が5〜6ヶ月で完了することも珍しくありません。

ただし、治療期間は患者さん自身の協力度にも大きく影響されます。マウスピースの装着時間が不足すると、計画通りに歯が動かず、治療期間が延長する可能性があります。

費用

インビザライン治療は自費診療となるため、保険適用外です。費用は症例の複雑さや治療期間によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

  • 軽度の出っ歯(部分矯正):約40万円〜60万円
  • 中等度の出っ歯(全体矯正):約70万円〜90万円
  • 重度の出っ歯(抜歯を伴う複雑な症例):約80万円〜100万円以上

これらの費用には、初診料、検査料、マウスピース代、調整料、リテーナー代などが含まれます。医院によって料金体系は異なりますので、詳細は各医院にお問い合わせください。

また、多くの医院では分割払いやデンタルローンに対応しているため、一度に大きな出費をせずに治療を始めることができます。月々1万円程度から治療を始められる場合も多いです。

インビザラインで出っ歯治療を成功させるポイント

インビザラインによる出っ歯治療を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。私の臨床経験から、特に重要と思われるポイントをご紹介します。

1. 信頼できる専門医を選ぶ

インビザライン治療の成功は、医師の経験と技術に大きく依存します。特に出っ歯の治療では、単に歯を動かすだけでなく、顔貌のバランスも考慮した治療計画が必要です。

インビザラインの認定資格(ダイヤモンドプロバイダーやブラックダイヤモンドトッププロバイダーなど)を持つ医師や、症例数の多い医師を選ぶことをお勧めします。また、過去の症例写真を確認し、自分の症例に似たケースの治療結果を見せてもらうのも良いでしょう。

2. 装着時間を守る

インビザライン治療の最大の特徴である「取り外し可能」という点は、メリットでもありデメリットでもあります。治療効果を最大化するためには、1日20〜22時間の装着を徹底することが不可欠です。

「食事の時だけ外す」という習慣を身につけ、食後はすぐに歯磨きをしてマウスピースを装着するようにしましょう。装着時間が不足すると、計画通りに歯が動かず、治療期間が延長したり、理想的な結果が得られなかったりする可能性があります。

3. 口腔衛生を保つ

マウスピース装着中は、歯と歯ぐきの間に食べかすや細菌が溜まりやすくなります。虫歯や歯周病のリスクを減らすために、食後の歯磨きを丁寧に行い、マウスピース自体も定期的に洗浄することが重要です。

当院では、矯正治療中も定期的なクリーニングを行い、口腔内の健康状態を維持しています。これにより、治療終了後も健康な歯と美しい笑顔を長く保つことができます。

4. 定期的な通院を欠かさない

インビザラインは通院頻度が少ないことがメリットですが、定期的な通院は治療の進行状況を確認するために不可欠です。予定された通院日はできるだけ守るようにしましょう。

通院時には、歯の動きが計画通りに進んでいるかを確認し、必要に応じて調整を行います。問題が生じた場合も早期に対応できるため、最終的な治療結果に大きく影響します。

まとめ:インビザラインで理想の口元を手に入れる

インビザラインは、出っ歯の改善に効果的な選択肢の一つです。透明で目立たず、取り外し可能というメリットから、特に社会人の方に人気の治療法となっています。

歯槽性の出っ歯や軽度から中等度の骨格性の出っ歯であれば、インビザラインでの治療が可能なケースが多いです。治療期間は症例によって異なりますが、一般的に6ヶ月から2年程度かかります。当院のようにPBM healingを併用することで、治療期間を短縮できる可能性もあります。

治療の成功には、信頼できる専門医の選択、装着時間の遵守、口腔衛生の維持、定期的な通院が重要です。これらのポイントを押さえることで、より効果的かつ効率的に理想の歯並びを手に入れることができます。

出っ歯でお悩みの方は、まずは無料カウンセリングで専門医に相談してみることをお勧めします。あなたの症例に最適な治療法を提案し、理想の笑顔へと導くお手伝いをさせていただきます。

詳しい情報や無料カウンセリングのご予約は、RIVER CLINIC DENTALのウェブサイトをご覧ください。あなたの新しい笑顔のスタートをサポートいたします。

古居 憲
この記事の監修者
院長 古居 憲

マウスピース矯正、裏側矯正、インプラント治療が得意です。 特にインビザライン矯正は最年少でプラチナドクターを獲得しました。 2022年から3年連続でインビザラインドクターのトップ1%のブラックダイヤモンドプロバイダーに選ばれています。

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