施設基準に関するお知らせ

MENU

矯正後の後戻りを防止する方法〜リテーナーと生活習慣のポイント

  • 矯正歯科
  • ドクターブログ
  • インビザライン
  • 矯正
矯正後の後戻りを防止する方法〜リテーナーと生活習慣のポイント

矯正治療後の「後戻り」とは

矯正治療を終えて美しい歯並びを手に入れた瞬間は、何ものにも代えがたい喜びです。

しかし、治療が終了してから数年が経過すると「あれ、少し歯が動いてきたかも・・・」と感じる方がいらっしゃいます。これが「後戻り」と呼ばれる現象です。矯正治療によって整えられた歯並びが、治療前の位置に戻ろうとする動きのことを指します。

歯は歯周靭帯という組織で顎の骨と結合しており、矯正治療で歯を動かすとこの靭帯が引き伸ばされた状態になります。

治療直後は歯の周囲の骨が安定していないため、歯が非常に動きやすい状態にあるのです。そのため、適切な保定を行わないと治療前の位置に戻ろうとする力が働いてしまいます。後戻りはどのような矯正方法でも起こりうる自然な反応であり、ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも同様です。

実際、矯正治療後10〜20年経過した患者の40〜90%に歯並びの乱れが見られるという研究報告があります。つまり、矯正治療直後だけでなく、何年も経ってから後戻りが起こることは避けられないのです。

後戻りが起こる主な原因

後戻りはなぜ起こるのでしょうか。

最も驚くべき研究結果は、矯正力を除去してからわずか2時間以内に後戻りが始まるという報告です。歯を支える骨や歯茎、靱帯といった組織は元の位置を「記憶」しており、矯正治療後の新しい位置で完全に安定するまでには相当な時間がかかります。

リテーナーの装着不足

後戻りの最も多い原因です。

矯正治療終了後は、リテーナーと呼ばれる保定装置を使用して歯の位置を安定させる必要があります。治療直後は1日20時間以上の装着が推奨されており、食事と歯磨きの時間以外は常に装着するイメージです。

この装着時間を守らないと、少しずつ歯が元の位置に戻ってしまいます。

「装着が面倒になった」「忙しくて忘れてしまった」という理由で装着時間が不足し、後戻りが進んでしまうケースを臨床現場で多く見かけます。リテーナーの装着は、美しい歯並びを維持するための最も重要な習慣なのです。

舌の癖(舌突出癖)

舌で前歯を押す癖や、飲み込む時に舌を前に出す癖は、前歯を徐々に前方に押し出してしまいます。

特に矯正直後は歯が動きやすい状態なので、こうした癖の影響を受けやすいのです。正しい舌の位置は、上顎の前歯の裏側あたりに軽く触れている状態です。日常的に意識して、舌の位置を正しく保つことが大切です。

舌の癖が強い場合は、矯正治療前に舌癖の改善トレーニングを行うこともあります。

口呼吸の習慣

慢性的な鼻詰まりなどが原因で口呼吸の習慣がある場合、口周りの筋肉のバランスが崩れ、歯並びに悪影響を及ぼします。

口呼吸は歯並びだけでなく、全身の健康にも関わる重要な問題です。鼻呼吸を心がけることで、口周りの筋肉のバランスが整い、歯並びの安定にも繋がります。鼻詰まりが慢性的な場合は、耳鼻科での治療も検討してみてください。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、歯や顎の骨に大きな負荷をかけます。

特に就寝中に無意識で行っていることが多く、自分では気づきにくい習慣です。歯ぎしりや食いしばりがある場合、ナイトガードと呼ばれる装置を使用することで、歯への負担を軽減することができます。

加齢による歯の変化

年齢を重ねるにつれて、歯を支える骨(歯槽骨)が減少したり、奥歯がすり減ったりすることで、噛み合わせが変化します。

これにより歯並びが少しずつ変わっていくことがあります。加齢による変化は誰にでも起こるものですが、適切なケアを続けることで、その影響を最小限に抑えることができます。定期的なメンテナンスで歯の健康を保つことが大切です。

リテーナー(保定装置)の種類と特徴

後戻りを防ぐ最も重要な装置が「リテーナー(保定装置)」です。

リテーナーは、矯正治療で動かした歯を新しい位置に固定し、周囲の組織が安定するまで歯並びを維持する役割を果たします。リテーナーには大きく分けて「固定式」と「取り外し式」の2種類があり、それぞれに特徴があります。

固定式リテーナーの特徴

固定式リテーナーは、歯の裏側にワイヤーを接着して装着するタイプです。

自分で取り外すことができないため、装着忘れの心配がありません。特に前歯の後戻りが起きやすい方に適しています。ただし、歯磨きがしづらくなるため、清掃には工夫が必要です。

また、一部分のみ外れてしまうと、その歯だけが動いてしまう危険性があるため、定期的なチェックが欠かせません。

固定式リテーナーの5年追跡調査では、故障による保定の失敗率は54%という非常に高い値になっており、5年生存率は半分も満たない状態です。しかも、失敗の83%が治療後1年以内初期に発生しており、「固定式だから安心」というわけではないのです。

取り外し式リテーナーの利点

取り外し式リテーナーは、マウスピースのように自分で着脱できるタイプです。

食事や歯磨きの際に外せるため衛生的で、お手入れも比較的簡単です。矯正治療全体の保定や、固定式リテーナーと併用することもあります。ただし、つけ忘れや紛失のリスクがあるため、自己管理が重要になります。

インビザライン専用のリテーナーは、透明なマウスピースで一見すると何も着けていないように見えます。インビザライン社が提供する「ビベラリテーナー」は通常3セットセットで提供され、耐久性に優れています。インビザラインのマウスピースよりも30%も強い素材で作られており、破損しにくい設計になっているのが特徴です。

リテーナーの装着期間と時間

リテーナーの装着期間は、一般的に矯正治療にかかった期間と同じだけ必要とされています。

初期は1日20時間程度の装着が必要で、徐々に就寸時のみに移行していきます。矯正後1年目は一日中、矯正後2年目以降は夜間の就寝時という段階的な着用が一般的です。

保定期間は個人差がありますが、概ね2〜3年程度を目安とします。ただし、歯が動きやすい体質の方や、もともとの歯並びが大きくずれていた方は、より長期間の保定が必要になることもあります。

矯正治療後最初の3か月では、患者さんの約69%が毎晩リテーナーを装着していますが、約2年後には指示通りに使用をしている患者さんは45%まで低下していると報告もあるくらいです。さらに、19%の患者は全く装着しなくなってしまいます。

後戻りを防ぐための生活習慣

リテーナーの使用だけでは、後戻りを完全に防ぐことはできません。

日常生活の中には、歯並びに悪影響を与える習慣が潜んでいます。これらの悪習癖を改善することが、美しい歯並びを長期間維持するために不可欠です。歯は唇や頬などが外から押す力と、舌が内側から押す力の平衡状態がとれる位置に並びます。

この筋力の平衡が崩れると、後戻りが起こりやすくなるのです。

舌の位置を正しく保つ

舌の正しい位置を意識することが重要です。

正しい舌の位置は、上顎の前歯の裏側あたりに軽く触れている状態です。無意識に舌で歯を押す癖がある場合は、日常的に舌の位置を意識して改善していきましょう。舌癖が強い場合は、MFT(口腔筋機能療法)と呼ばれるトレーニングを行うことも効果的です。

MFTでは、正しい舌の位置や正しい姿勢と飲み込み方を練習し、舌と舌周辺の筋肉を鍛えることで、歯並びに悪影響を与える癖を改善していきます。

鼻呼吸を心がける

口呼吸の習慣がある場合は、鼻呼吸に切り替えることが大切です。

鼻呼吸を心がけることで、口周りの筋肉のバランスが整い、歯並びの安定にも繋がります。鼻詰まりが慢性的な場合は、耳鼻科での治療も検討してみてください。就寝時に口が開いてしまう場合は、口閉じテープなどを活用する方法もあります。

歯ぎしり・食いしばりへの対策

歯ぎしりや食いしばりがある場合は、ナイトガードの使用を検討しましょう。

就寝時の歯ぎしりや強い食いしばりは後戻りのリスクを高めます。必要に応じてナイトガードを使用することも有効です。ナイトガードは歯への負担を軽減し、歯ぎしりによる歯の移動を防ぐ効果があります。

バランスの良い食事

噛む力の偏りや偏食は咬合の乱れを招くことがあります。

噛みやすく、栄養バランスを考えた食事を心がけましょう。特定の歯に過剰な力がかかりやすく、歯の摩耗や破折、歯周組織への負担につながることがあります。

口腔衛生の維持

虫歯や歯周病による歯の損失・移動は後戻りの原因になります。

毎日の丁寧なブラッシングと定期クリーニングが不可欠です。歯が重なっている部位は清掃が難しく、プラークが残りやすいため、むし歯や歯周病リスクが高まる傾向があります。矯正治療によって歯列が整うと、ブラッシング効率が上がり、結果として口腔内を清潔に保ちやすくなる可能性があります。

定期的な歯科検診の重要性

後戻りを防ぐためには、リテーナーの管理だけでなく歯列の定期チェックも重要です。

定期検診では、歯の動きや噛み合わせの変化を確認し、リテーナーの適合状態を調整します。また、歯磨き指導や口腔衛生管理を継続することで、問題を早期に発見し、大きな後戻りを防ぐ役割があります。

当院では、こうした”予防的観点”も踏まえた矯正治療を大切にしています。

中でもマウスピース型矯正装置(インビザライン)は、透明で目立ちにくく、取り外し可能な点が特徴です。食事や歯磨きが通常通り行えるため、口腔衛生管理を維持しやすいというメリットがあります。

一方で、すべての症例に適応できるわけではなく、歯並びや骨格、抜歯の必要性などによって適応可否が変わります。また、1日20〜22時間以上の装着が必要で、装着時間が不足すると計画通りに歯が動かないこともあります。そのため、自己管理が苦手な方にはワイヤー矯正を含めた別の選択肢をご提案することもあります。

治療前には、レントゲン撮影、口腔内写真、噛み合わせ評価、口腔内スキャンなどの精密検査を行い、3Dシミュレーションソフトを用いて歯の移動計画を可視化します。

治療後の歯並びイメージを事前に確認できるため、患者さま自身が納得したうえで開始できる点も特徴です。なお、シミュレーションはあくまで予測であり、実際の進行は個人差があります。

当院のインビザライン矯正の特徴

当院では、インビザライン矯正に特化した高度な専門性を提供しています。

院長は「インビザラインブラックダイヤモンドトッププロバイダー認定医」の資格を保有しており、圧倒的な症例実績でこれまでに様々な悩みを持つ患者様に技術を提供してきました。一般的には、矯正治療は「歯並びを治す」というイメージが強いですが、実際にはEラインの改善(横顔のコンプレックスを克服)も行われます。

歯並びだけでなく、横顔の美しさやバランスを向上させることが期待される審美的に良い矯正も得意としております。

スピード矯正が可能

当院ではPBM healing(光加速矯正装置)を使用したスピード矯正を多くの方に行っており、日本でもトップクラスの症例数です。

歯の周辺組織に近赤外線光を照射することによって細胞を活性化させ、歯を支える歯槽骨の細胞の代謝が促されることにより、通常よりも歯を速く移動させることができます。通常1年かかる矯正であれば、最短で5ヶ月で矯正を終えることも可能です。

マイクロスコープを使用した精密な治療

当院ではより精度の高い的確な治療提供のため、マイクロスコープを完備しております。

マイクロスコープは肉眼に比べ視野を20倍に拡大することができるため、細部の正確な処置が可能となります。患者さまの立場に立ち、見た目の向上だけでなく虫歯の再発リスクを抑えることや歯をなるべく残す治療を実現するために、先進医療機器や高性能な治療材料を使用しております。

安心して受けられる環境

当院では、患者様の恐怖心やトラウマを取り除くことを第一に考えており歯科麻酔医が在籍しているので、恐怖心が強い患者様にはセデーション(静脈内鎮静法)を用いることができます。

ご希望の方にはセデーション(静脈内鎮静法)を用いて半分眠っているようなリラックスした状態で治療を受けていただきます。これにより長時間ににおよぶ治療やインプラント施術、歯科恐怖症の患者様など、歯科治療に伴うストレスを大幅に軽減することができます。

また、患者様のプライバシーに配慮した空間で治療をお受けいただけます。院内には段差をなくし、より多くの患者様がご来院いただけるようなバリアフリーとなっております。

まとめ

矯正治療後の後戻りは、リテーナーの装着不足や悪習癖が主な原因です。

後戻りはどのような矯正方法でも起こりうる自然な反応であり、矯正力を除去してからわずか2時間以内に後戻りが始まるという報告もあります。美しい歯並びを長期間維持するためには、リテーナーの正しい使用と生活習慣の改善が不可欠です。

リテーナーは初期段階で1日20時間以上の装着が必要で、徐々に就寝時のみに移行していきます。

また、舌の位置を正しく保つ、鼻呼吸を心がける、歯ぎしり・食いしばりへの対策、バランスの良い食事、口腔衛生の維持など、日常生活の中での注意点も多くあります。定期的な歯科検診を受けることで、問題を早期に発見し、大きな後戻りを防ぐことができます。

矯正治療は短期間で終わる施術ではなく、数ヵ月〜数年単位で取り組む医療です。

だからこそ当院では、見た目だけでなく「長期的な口腔の健康」を見据えた提案を重視しています。歯並びに少しでも気になる点がある方、将来の歯の健康を考え始めたい方は、まずはカウンセリングで現状を把握するところから始めてみてください。矯正が必要かどうかも含め、専門的な視点で丁寧にご説明いたします。

詳しくはインビザライン マウスピース矯正をご覧ください。

古居 憲
この記事の監修者
院長 古居 憲

マウスピース矯正、裏側矯正、インプラント治療が得意です。 特にインビザライン矯正は最年少でプラチナドクターを獲得しました。 2022年から3年連続でインビザラインドクターのトップ1%のブラックダイヤモンドプロバイダーに選ばれています。

一覧へ戻る